30年・200件超のサーバー遍歴——コスパと格闘し続けた男の記憶

時代は変わり、サーバーの形も変わり続ける。だが、コスパへのこだわりだけは変わりそうにない。

コラム 戦い

「また引っ越しか」——そう呟きながらサーバーの設定ファイルを書き換えること、数十回。気づけば30年、200件超のサーバー構築を経験していた。

最初は専用線を引いて自社サーバーを立てる時代だった。物理的にどっしり構えた鉄の箱が、なんとも頼もしく見えたものだ。しかし現実は甘くない。停電、熱暴走、突然のHDD死亡——夜中に叩き起こされること数知れず。「所有する」ことの重さを、体で学んだ。

やがてデータセンター、ホスティングサービスの波が来た。Yahoo、データホテル、さくら、カゴヤ、IDCF、Xserver、CPI……まるでサーバー業界の歴史を乗り継ぐように、各社のサービスを渡り歩いた。それぞれに個性がある。安定感で選ぶ時期、サポートの厚さで選ぶ時期、とにかく安さで選ぶ時期——その時々のプロジェクト事情が、選択を左右した。

そしてクラウドの黒船、GCP、AWS、Azureが来た。「従量課金って革命じゃないか」と興奮したのも束の間、月末の請求書を見て青ざめる洗礼を受けた経験は、クラウド初心者の通過儀礼と言えるだろう。スケールの自由と引き換えに、コスト管理という新たな戦いが始まったのだ。

結局、30年かけて辿り着いた答えは拍子抜けするほどシンプルだ——「コスパ」。性能・安定性・サポート・価格、これらのバランスを見極める眼力こそが、サーバー選びの本質だった。技術トレンドに踊らされず、そのプロジェクトに「ちょうどいい」選択ができるか。200件の経験は、その判断軸を磨く旅だったのかもしれない。

時代は変わり、サーバーの形も変わり続ける。だが、コスパへのこだわりだけは変わりそうにない。

raq3

EX:写真はCobalt 当時Cubeが革新的たっだな〜ってどこいったのだろ?Raqはまだ20台くらい眠ってる笑